アラサー女子のジブンさがし

アラサー女子の日常雑感日記です。

「孤独」は消せる。のか

こんばんは、さきこです。

今日は思わず買ってしまった本のレビュー。

『「孤独」は消せる。』という吉藤健太郎さんの著書です。

3月の初旬に発売されていて、友人が彼の会社で働いていたり、彼のツイッターで気にはなっていたのですが、こちらの記事を読んで、いや、これは買わねば!と本屋に走りました。


◯小さな星の懸け橋に/オリヒメがつなぐ

https://mainichi.jp/ch171295487i/小さな星の懸け橋に


レビューを書くにあたって、何故かキンコン西野さんの『革命のファンファーレ』が頭に浮かびました。

全くジャンルの異なる、考え方も異なるお二人がどうして脳内で繋がったのかな、と考えた時に、「ああ、泥臭い感じが似ているんだ」と思い当たりました。

その辺りがうまく言葉になったらいいな。


◯吉藤健太郎って何者だ


吉藤健太郎さん、吉藤オリィさんと言ったほうがいいかな。皆さんはご存知ですか?

ロボットコミュニケーターという新しい職業を作り、AIが注目されがちなロボット業界で、人と人を繋ぐ、どちらかというとアナログなロボットを作っています。


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(分身ロボット『OriHime(オリヒメ)』。自然に人の輪に馴染む愛らしいフォルム。詳しくはhttps://orihime.orylab.com


高校時代に文部科学大臣賞を受賞、青年版国民栄誉賞といわれる「人間力大賞」を得る他、AERA「日本を突破する100人」や米国フォーブス誌「30 Under 30 2016 ASIA」に選ばれるなど各界から注目を集める存在です。


こう書くと、あーすごーく優秀な天才的な人なんだねーへー、と遠い国の存在に感じますが、その実情はかなり泥臭い、という印象を著書から受けました。


ロボットを作るきっかけとなった3年半に渡るひきこもり時代の葛藤、人とのコミュニケーション方法を学ぶために思いつく可能性をひとつずつやってみる大学時代(社交性を身につけるために社交ダンス部に入ったくだりは思わず笑いました)、ロボットのアイディアが浮かべば出来る限り早くプロトタイプを作成し使ってもらって改善していく現在、プレゼンにかける準備の「そこまでするか」という徹底ぶり。

名誉ある部分だけ見れば、「天才」の一言で終わってしまうのだろうけれど、そこに至るまでの時間や行動は莫大。

氷山の一角ってこういう事なのかもしれない。


『「孤独」は消せる。』はそんな吉藤さんの自叙伝みたいなものでした。


◯結局、足で稼ぐしかないのだ


さて、そんなロボットコミュニケーター吉藤さんと絵本作家キンコン西野さんがどう繋がるのか。

それは、結局のところ自分が動く事でしか状況は動かせない、というところ。


キンコン西野さんは、マネタイズのタイミングを後ろにズラせ、先の先まで考えて一番利益を得られる可能性を探せ、と著書で書いており、理詰めで物事を進めていくタイプだと感じました。


対する吉藤さんは、思い立ったが吉日!タイプ。思い付いたら動かずにはいられない感覚派なのだと思います。


ロジカルな西野さん、フィーリングの吉藤さん。けれど、行動はほとんど同じなんです。


まずは、やってみる、ということ。


吉藤さんはロボットを作っては試し、改善してはまた試すという、「徹底的な現場主義」を自ら公言している。ので、「まずやってみる」精神の申し子とでも言えるのではというくらいわかりやすく「やってみて」いる。


一方の西野さんは「自分の時間を使うな!他人の時間を使え!」と著書に書いていて一見、この「やってみる」論からは外れるように見える。

けど、「やってみる」精神のない人が、自分の独演会チケットを1000枚手売りするだろうか。直売サイトで購入してくれた全ての著書に一つ一つ直筆サインを書いて郵送するだろうか。

ロジックで考えるそのベースには、その行動量があるのだと思います。


失敗してもいいからまずは試してみる。

その反応を見て、次の一手を考える。

その繰り返し。

これはリクルート時代に再三言われた「鬼のようにPDCAサイクルをまわせ!」とも一致したりもして。

リーディングパーソンやカンパニーはジャンル問わず、共通項が多いのかもしれません。


◯「孤独」はコミュニケーションの場を整えることで解消されるのか


吉藤さんがつくりたいのは、「その人が、そこにいる」という価値だと著書で述べています。

コミュニケーションが取りたいのに、身体や心の事情によりコミュニケーションの場に行けない人がいる。

それを分身ロボットでサポートすれば、コミュニケーションの場に参加ができ、「孤独」が解消されるのだと言う。


素敵な心意気だなあ、と思う反面、けどなあと思う節がある。


それは、そもそもコミュニケーションの場に行きたいと思わない人だっている、と思うからだ。思わない人、と言うよりかは、思えない状況の渦中にいる人、かな。

まさにわたしはそのタイプ。


調子が良い時は人と繋がりたいと思うけど、そうじゃない時は全てをシャットアウトしたい。

シャットアウトしている時に、外の世界からノックをされて、OriHimeを紹介されても、それさえも出来ない、したくない、と思ってしまうのです。


コミュニケーションは相手との関係性とともに、自分自身との関係性も大いに寄与するところがあると思っていて。

気持ちのいいコミュニケーションは、相手だけでなく、自分自身とも良い関係が築けていないと難しいのではないかと考えています。


自分との良い関係っていろいろあると思うのだけれど、今、わたしが重きを置いているのは自分の感情をその時その時、確かに感じる事。

あー、そう思ってるのねと受け止める事。


そんなん当たり前じゃん、と思う方もいるかも知れません。

けど、これって結構難しいとわたしは思います。現にわたしは今まで出来ていませんでした。そして、出来ていないことにも気付いていませんでした。


誰かの反応を見て好き嫌いを判断する。

嫌な事だけど周りに合わせて行動する。

そんなことを繰り返していくうちに、段々と自分の感情に鈍感になってしまう。


周りに合わせることは集団行動においてある程度は必要だ、というご意見があるかも知れません。

その通りだと思います。

けれど、ここで問題なのは「どう行動するか」ではなく、「どう感じているかを認識できるか」です。


嫌だなあって思ったけどその場では断りきれなかった、と分かっていれば、自分はこれが好きじゃないんだ、とわかり、次から同じような状況を避けることもできます。

けど、そもそも嫌だと認識できなかったら。

また同じ状況に陥って、知らず知らずに傷付いて、気付いたら取り返しのつかないところまできてしまうこともある。


自分の気持ちを知ること。

それは、自分探しとはちょっと違って。

まだ、うまく言えないのですが。


だけど、わたしと同じように気持ちに鈍感になってしまって、そもそもどう感じたらいいのかわからなくなって、悩んでグルグルしちゃっている人、いると思うんです、それもかなりの数。


そこにアプローチできる何かをつくりたい。

そんなニーズないのかも知れないし、現状考えているツールが効果的でないかも知れない。

けど、そこは足で稼ぐしかない。

トライアンドエラーを繰り返しながらやっていきたいと思います。


あれ、レビューじゃなくなった

いや、その、一歩進む勇気をくれた本です!

『「孤独」は消せる。』も『革命のファンファーレ』も背中を押してくれる本。

感覚が合いそうだなあと思う方を読んでみるといいんじゃないかな。

どちらも熱量のある本ですよ。

年度の始まりに、是非。


◯「孤独」は消せる。/吉藤健太郎

https://www.amazon.co.jp/「孤独」は消せる


◯革命のファンファーレ 

https://www.amazon.co.jp/革命のファンファーレ-現代のお金と広告-西野-亮廣