アラサー女子のジブンさがし

アラサー女子の日常雑感日記です。

異質で、同等。

五感の先生に勧められて、『話を聞かない男、地図が読めない女』を読みました。


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https://www.amazon.co.jp/文庫版-話を聞かない男、地図が読めない女-アラン・ピーズ/dp/4072352179)

題名は聞いたことがあったけれど、もう20年くらい前に出版されたものだった。

男女の脳の作りの違いを、わかりやすい事例を多用しながら科学的に説明しています。
男脳、女脳は概念的なものでなく、物質的に違うのだそう。

例えば、考え事をする時。
男脳では右脳の一部分だけを使って考えます。
だから、基本的に考え事をしている時は他のことは疎かになります。
考えながらお喋りをしたり、テレビを見て楽しんだり、ご飯を食べたりはあまり得意でない。
静かにじっと、自分の内側で自分と会話しながら考えるのが男脳。

一方、女脳では左右の前頭葉やその他色々な部分が、考える時に活発化します。
「お喋りをする部分」「感情を左右する部分」とも連動しながら考え事をします。
よく、女性は言葉に出して自分の考えをまとめている、と言われるのは脳の仕組み上、当然のことなのだそう。議論している内に感情的になっちゃうのも、ある種、脳の仕組みの違いなのです。

けれど、男脳の人は、考え事は黙ってするもの、また、女脳の人は、考える時は喋った方が早い、という常識が潜在的に身体に染み込んでいます。

だから当然、相手も同じ常識で生きている、と思ってしまう。話しかけても反応しない彼にイライラしたり、話し合えばいつだって感情的になる彼女に嫌気がさしたり。

けれど、元々生まれ持った脳という部品の機能がそもそも違う。
そこをお互いに理解し合えれば、かなしいすれ違いは少なくできるのでは?という投げ掛けがこの本の主なメッセージでした。

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また、男女平等賞賛に対する警鐘も。

そもそも機能が違うのに、同じ事を求めるのは果たして本当に平等なのか?

それぞれが得意とする部分、苦手とする部分があるのだから、お互いにその部分を補い合えば良いのではないか?

男と女、だけでなく、私たちはそれぞれ似通っていてもまったく同じものではない。
それぞれ違う部分があって、分かり合えない思考や感情もある。

違うね、ということ。
そこに優劣はない。

違いを責めたり恥ずかしく思う必要はない。

完全な共感・共有が出来ないから、せめて言葉や文字や色んなツールを使って、自分の内側を伝えたい、と、相手の内側を知りたいと思うのかもしれない。

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男脳は各部分ごとに役割分担が明確にされているそうです。
考える場所、お喋りする場所、感情表現する場所。それぞれの場所を繋ぐ通路は女脳に比べて細く、相互関係が弱いらしい。

脳の仕組みが原因とされている発達障害の発症率が男の子の方が多いとされているのは、もしかしたら男脳、女脳の違いなのかもしれない。

女脳はそれぞれの機能が広範囲に分布していて、また、それぞれの場所を繋ぐ通路が太く、密に連絡を取り合っているとのこと。

勘が鋭い、というのも、女脳の方が男脳よりも、表情、声のトーン、仕草、その他いろいろを結び付けて感じ取る能力が高いから。

だから、逆に女性の方が精神疾患が多いのかな?なんて事を思いながら読んでいました。

理解しがたい相手が出てきた時、どうしてどうと責めたり排除する前に、もしかして自分とは違う機能の人なのかも、と思うと少し冷静になれたりするかもなあ、と。

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違う人と関わることの大切さを、今まで頭では理解していたけれど、実感はしていなかった。

違う人に自分の内側を伝えることはしんどいし、実らないこともあるし、だから怖かった。

だけど、本当はずっと聴いて欲しかったのかなあ、と今の彼と出会って思う。

一生懸命話しても、うーん俺にはわからないなあという事もある。
けど、一生懸命聴いてくれる。
私が諦めたい気持ちの時にも、諦めずにずっと聴いてくれる。
そういう人がいることが、途轍もない安心感をくれる。

安心すると穏やかになる。
穏やかになると他者とのコミュニケーションも円滑になる。
良い人間関係が築けると次への意欲が湧いてくる。

安心感。その上に全てとは言わないけど、多くのものは積み重なっていくんじゃないかな。

違うけど、等しく大切なもの。
私たちは異質で、同等。