犬を飼う、の違和感

犬と暮らしはじめて３ヶ月ほど経つ。人生ではじめての犬との生活。
わからないことも多くて、イライラしたり不安になったりすることもある。
ペットショップで相談したり、旦那さんと話し合ったり、お散歩で会う飼い主さんたちから話を聞いてそういうものなのかーと思ったり、日々、試行錯誤だ。

わが家の犬はジャック・ラッセル・テリアといって元々猟犬として人と暮らしてきた犬種。
映画「マスク」で登場したり、ほぼ日の糸井さん家の子もジャックだ。

小型犬ながらパワーもスピードもあって、飼う前から運動量が多いこと、初心者向けではないことなども聞いていた。
だから大変なことが多くても、まあ仕方ないかな、でも日々お互いに改善はしていきたいよな、と思う。
根本的に犬と人との本能の差や発達段階、五感機能の差もあるだろうし、言葉での意思疎通はできないから、ネットを見たり本を読んだりして、犬という種族の理解ができたらなあ、と。

多頭飼いをしていている犬との暮らしベテランの飼い主さんに「（はじめてなのに）なんでジャックにしたの？」と聞かれた事がある。
そこの子に比べてうちの子は躾もなってないし、他の子たちとの遊び方も下手くそで、少し非難の色もあったのかもしれない。

躾もちゃんとできないのに、どうして飼ったの？

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小さい頃から動物は好きで、けれどお家の関係で小動物以外は飼えず、漠然と犬とか猫との生活に憧れていた。
飼うならどんながいいかな？こんな感じかな？？と妄想するのが楽しかった。

いざやってみて思うことは、人でなくても他の命との生活は大変だということ。

そして「犬を飼う」ことの意味を深く考えた。
飼う前にちゃんと考えたつもりだった。
けれど飼ってから、実感があってからはじめて真剣に向き合った問いだった。

どうして飼うのか。
人間のエゴではないか。
この子はうちで幸せなのだろうか。
犬と幸せとは何か。

そうして最初の1〜2ヶ月は犬の為の生活みたいになって苦しくなった。
犬の幸せは大事だけど、自分の人生も…思い詰まってちょっとしたことで声を荒げている自分がいた。ヤバイなと思った。

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どうしてジャックにしたの？

そう聞かれた時に、ああ、わたし理想の飼い主さんになろうと必死だったんだなって思った。
躾が行き届いていて、人当たりも犬当たりもよくて、わたし自身も他の飼い主さんたちとちゃんとお話しできて、きゃっきゃうふふしているような「こうでなければ」に囚われていたのかもしれない。

躾は大事で、なんでもOKにしてしまえば、変なものを食べたり、危ない行動で怪我をしたりという犬にとって良くない結果になる行為や、人や他の犬に怪我をさせたり怖い思いをさせて、結果行動範囲が狭くなってしまう行為は小さいうちからなくせた方がいい。

でも、例えばいつでもちゃんと待てができて、ドッグカフェとかで大人しく座ってられる、可愛いふわふわが欲しかったんだっけ？

見た目で選んでないかと言われたら嘘になるけど、それでもわたしは難しい条件があってもそれをクリアできるよう頑張ろう（例えその思いが浅はかだったとしても）って思った。
この子と暮らしてみたい、だから頑張ろうって、犬との暮らしを望んだ。

必要最低限できればいい。
あとは犬も家族もご機嫌に過ごせればいい。
そう思ったら少し肩の荷が下りた。

はじまりは「犬を飼いたかった」かもしれないけれど、頑張ろうって思えたのは「この子と暮らしてみたい」って思ったからだった。

ちいさいのにやんちゃで、そのくせ臆病で、視野が狭くて、でも変に空気が読めて、心配性で甘えん坊でやさしい、いきものと暮らしていくこと。

互いに無理せず、心地よく過ごしていけるように、毎日をちゃんと自分軸で感じていけるように、もっと軽やかに、大胆に、生きていこう。