ひとりであるく
さっき 選挙のために近くの小学校に行ってきた
その道は いつもいぬ君と歩く道で
八王子に来て半年 ほとんど毎日のように歩く道
だけど ひとりで歩いたのは初めてだった
思っていたより遠く感じた
歩いても歩いても進まない感じ
あ そっか
この道に限らず 八王子の街をひとりで歩くことなんてほとんどなかったんだ
はじめての犬との生活は思うようにいかないことだらけで 犬でこうなら子どもなんて無理じゃないか…と思う日々だった
甘噛みが強くて 興奮しやすくて 運動量が必要で 散歩に行けば枝やら草やらを食べちゃうし 覚えたと思ったトイレが全然できなくなって朝起きるとおしっこうんち爆弾が転がっている
それが落ち着いたかと思うと今度はごはんを食べなくなって いろいろ試行錯誤したり
イライラすること 心配になること たくさんあって いぬ君がいなければなあと思う日もたくさんあった半年だった
でも 今日 いつも一緒に歩く道をひとりで歩いて
さみしかった
いつか 彼は私たちより先に逝ってしまう
まだまだ先のその日を思って 少し泣いた
いぬ君がいなければ こうして朝カフェでゆっくりもできる
でも いぬ君がいなかったら
こんなに早くこの街に慣れただろうか
知り合いができただろうか
いぬ君がいるから
話しかけてくれる人がいて
知り合える人がいて
見える景色があって
犬を飼うって 本当に大変
違う命と暮らすって イライラもする
でも
助けられていることもたくさんある
ひとりじゃ得られない何かあたたかいものを
いつのまにか たくさん たくさん もらってる
一緒にいると 当たり前になってしまうけど
たまにひとりになって そういうのを確認するのもいいね
もうすぐ一歳
元気で長生きしてね